東北縦断  中編

五日目 27日 そば三昧

本日のルート

あとは4号線をひたすら進むだけ。盛岡〜一関間の約95kmラン。

8:00 起床

本日の朝食

ホテルルイズ14階レストランで朝食バイキング。
5000円超のビジネスホテルは高級感が違うね。

盛岡市街

盛岡駅前の商店街を抜ける。

分岐

4号線発見。
こんなに車線の多い道はこの旅で初めて。
文明って素晴らしい。

空は晴れているのに、小雨が降り始める。天気雨だ。
太陽が出ていて気温が高い(といっても18度くらい)ので
レインコートを着るとかなり暑いし、かといって濡れるわけにも…

晴れ間  雨雲

正面は晴れ間、右を向けば雨雲。
今日も強風で、結構なスピードで右から流れてくる雲。
あのでかい雨雲に追いつかれたらマズいぞ。

11時過ぎ、ちょっと小腹がすいてきたところで、そば屋を発見。

はらぺこ

十割そば はらぺこ

なにやらパワーを感じる外装に惹かれた。
盛岡冷麺とかわんこそばとか有名だし、そばは食べておかないと。

南部十割そば

本日の昼食 南部十割そば \650

店内に入ると、所狭しと有名人のサインが。
どうやら有名店だったらしい。

折角有名店なんだから、主力商品を食べておこうとメジャーそうなメニューを注文。

注文してから壁のサインや張り紙を見渡していると、美味しんぼの原作者・雁屋哲のサインと、
雁屋哲が考案していったという蕎麦冷麺についての記事が。
…蕎麦冷麺頼んだらよかったよ!くっそ!
追加注文しようかと思ったけど、思いのほか量が多くて断念。

美味しんぼ27巻にこの店が登場するらしいので、今度読んでおこう。

天気雨

天気雨の中進む。不快指数は無限大。

花巻空港

いわて花巻空港の案内が見える。
…ここから帰れるんだよなあ…
いや、いかん、仙台で牛タンを食べるまでは!

東京まで

東京まで500km。
東京は遠い。

2時頃、いよいよ雨が強くなる。
でも雲の流れを見るに、20分もすればまた晴れそう。
丁度わんこそば屋を発見したので逃げ込む。

わんこそば

わんこそば 里

店内に入ると、店員にいきなり200円引き券を渡される。
今日使えますから、とのこと。これはラッキー。

早速わんこそばを注文。5杯まで食べられるらしいので、いきなり5杯頼む。

わんこそば地獄

ゴゴゴゴゴ…

わんこそばって、1杯2口くらいで食べられる量っていうイメージだったのに…
これは、多いぞ。

しかし無理言っていろんな種類の麺を出してもらっただけに、残すわけにもいかず
必死に喉に流し込む。

美味しかったけど、もう当分蕎麦はいい…

200円引き券を使って会計した後、また来てねと200円引き券を2枚貰う。
なんかおかしくないか。

雨雲

外に出ると雨はひとまず止んでいたが、まるで予断を許さない空模様。
一関まで41km、あと半分!

虹

4時頃、ようやく雨が降り止む。虹とか、久々に見たなあ…

あと9KM

あとは一関を目指すだけ。
日が落ちる前にはなんとか…

一関入り

4号線から外れて、一関市街地方面へ。
しかし街灯も店の気配もまるで無い道が暫く続き、不安が募る。
ようやく明かりが見え始め…

一関駅

一関駅到着!
ここも、新幹線が止まるにしては割と落ち着いてるなあ…
というか、東北新幹線はそこらじゅうに止まりすぎな気がする。

駅周辺で宿探し。
ここまで結構高くついてるので、なんとか抑えたい。
とりあえず、ネカフェは影も形も無い。

携帯で周辺情報を調べても、近場は6000円くらいのとこばかり。
東北のホテル高くないか。

1階がゲーセンで、フロントに誰も居ないやや怪しいホテルが4900円だったのでここに決定。

シティホテル一関

シティホテル一関 素泊まり \4900

エレベーターが、1階登るのに10秒くらいかかる超旧式で怖かった。
ガンガン揺れるし。

早速夕食。

和風レストラン松竹  ソースカツ丼

和風レストラン 松竹 ソースカツ丼 \850

ここ、ソースカツ丼発祥の店のひとつ。(発祥については諸説ある)
元祖ソースカツ丼を頂く。
肉も柔らかく、飽きのこないソースが大変美味。

店員のおばちゃんが気さくな感じで、激しい東北訛りで果敢に攻めてきたのが印象深い。
「850円 頂きデース!」

食事の後、ホテルの下のゲーセンへ。これはいくしかないだろ。
An×Anを小一時間やって、最後に玉砕覚悟でポップンミュージック。
まず、曲選択の間立ってるだけで既に辛く、早くも隣のギタドラの椅子に崩れ落ちる。
普段なら余裕クリアの曲の譜面に、まったく目と手が追いつかない。
ああ、本当に疲れてるんだ…

ゲーセンを出て数歩でホテルへ。なんという極楽。
コンビニで買ったチューハイとポテチをつまみながら、就寝。

五日目:走行距離102.25km
平均速度14.2km/h  最高速度31.5km/h



六日目 26日 仙台到着!


9時起床。がっつり寝てしまった。

今日も4号線を直進。仙台まで、最後の89km。
道なりは恐らく昨日と代わり映えしないだろう。
山道は嫌だけど、丸一日淡々と進む単純作業もなかなか堪える。

本日の行程

シティホテル一関を後にする。

シティホテル一関

どこかで朝食を取りたいが、良い感じの店はどこも11時開店。
結局機会の逃して、朝食抜きで進む。

雲

今日も雲が多く、どんよりした空気。雨はなんとか大丈夫そうだけど…
相変わらずの田園風景の中を進む。

11:30、ちょうどいいタイミングでよさそうな店発見。

盛岡冷麺 盛岡冷麺

お食事処 くりこま 盛岡冷麺 \690

盛岡冷麺というものを食べ忘れていたので、ここで。
甘口と辛口どっちがいいか聞かれたので、甘口を注文。
メニューを見る限り、どうもこの店は辛さに力を入れてるようだったので回避した。

そして運ばれる盛岡冷麺。
ちょ、スイカとかリンゴとか入ってるんですけど…
甘口って、こういうこと?ハメられた!?

なんて慌てたが、どうも盛岡冷麺ではメジャーなトッピングだったようで…
脇にはキムチも入ってるし、変な組合せだけど不思議と美味しかった。

たいやき

隣のたいやき屋が気になったので、たいやきと「ゆべし」を購入。
皮がカリカリで超美味かったので、もう一個。

8時

仙台周辺のパチンコ屋は、なんと朝8時開店の模様。しかも夜は11時半までとか。
スロプロにとって、嬉しいのか、キツいのか。

とくに見るものも無く、淡々と走る。

あと60KM

12:32 仙台まであと60km

13:33 総走行距離500km突破

鳴瀬川 なる

鳴瀬川。
漢字は違うけど、どうしても反応してしまった。

どんよりした空の下を走り続けること数時間、スーパー銭湯発見。

ゆっぽ

ゆっぽ 入湯料 \700

入湯料が異様に高いけど、自転車旅行にスーパー銭湯は欠かせない。
今晩もどうせビジネスホテルだし、ちょっと早めに疲れを取らねば。

高いだけあって、湯の種類も豊富でなかなかに素晴らしい施設だった。
目玉は初めてみかけた炭酸風呂。
期待に胸膨らますも…まあ、超微炭酸というか、よくわからん。

風呂からあがると、計ったかのように更衣室のテレビでコードギアス最終回が始まる!
ちょ、やめて!こんなとこで!家でじっくり見たいのに!
真っ裸でチンコ弄りながら見てる小学生の横で一緒に見るとか、無いって!

汗ばみながら大急ぎで着替え、銭湯を飛び出した。
映像は見なかったけど、最初の10分くらい音声だけ聞こえてしまった…

帰ってからじっくり見ました。感動した。

銭湯の効果たるや凄まじく、快調に進む。

仙台入り 

仙台市入り 17:40 


日も沈み始めた頃、ようやく仙台市へ。

文明の光

文明の光が見え始める。

超文明の光

この一週間で見たことも無い、延々と続くビル群。
初めて都会に出てきた、離島の住人のような気分になる。
そして――

仙台駅 

仙台駅 18:50 


着いたーーー…っ!

とりあえず駅の前の通りでホテルを探すも、高級そうなのばかり。
先に夕食にしよう。

本日の夕食

伊達の牛タン本舗 牛タン定食 \1,470

高級感漂う店に飛び込み、お待ちかねの牛タン!
もうワンランク上の牛タンもあったけど、売り切れたらしい。残念。

これは…美味いぞ!
そのへんの焼肉屋で出てくる丸い牛タン、あんなのとは別の食べ物だ!

追加

あまりにも美味かったので、牛タンの冷しゃぶを追加。

あー、一週間走ってきて良かった!

夕食が高くついた分、安いホテルを探す。
携帯で調べると割と近くに3980円のところがあったので行ってみる。

「1泊大丈夫ですか」
「はい、5900円になります」
「え…ネットで見たら3980円って書いてたんですけど」
「はい、わかりました。では3980円で結構です」

ええっ?なんだそれ?
一瞬で2000円安くなったぞ!?
世の中の仕組みに疑問を抱きながらも、無事3980円でチェックイン。

ホテル 机

ホテル リッチフィールド青葉通り 素泊まり \3,980

青葉通り商店街のダイエーに隣接する超好立地。
妙にカッコいい机とそこそこ多きい液晶テレビ、枕も高さが二種類。インスタントドリップコーヒーも。
「タバコを吸わないお客様へ チョコレートをどうぞ」とかかれたラミカの上にポツンと置かれたチョコ一個。
ユニットバスも広く、入浴剤と体を洗う為の使い捨てスポンジまで装備。
この価格帯ではなかなか見ないサービスに大満足のホテル。

とりあえず荷物を置き、真横の青葉通り商店街へ。

とらのあな

とらのあな発見。
とらのあな仙台店は、青葉通り商店街内のゲーセンの3Fと4F!

ハルヒちゃん

虎の下のゲーセンでついうっかりハルヒちゃんフィギュアをコンプしてしまった!
この荷物どうするよ…

駅周辺を小一時間歩きまわって、1円パチンコで時間を潰し、いい加減疲れたのでホテルへ。

本日の夜食

夜食を貪りながら、就寝。

六日目:走行距離95.25km
平均速度13.4km/h 最高速度34.5km/h


七日目 26日 牛タン天国


9時起床。

最終行程

スタート前は、最後に山形空港まで行く選択肢も考えていたが
数々の山を越えてきた今となっては、この地図を見るだけで恐ろしい。
無理せず、昼過ぎまで仙台市街をぶらついて仙台空港から帰ることに決定。

仙台食い倒れツアー、開始!

とりあえず、ホテルを出て青葉通り商店街へ。

ささかま ひょうたんフランク

名物ささかまぼこと、なんか美味そうだったひょうたんフランク。

伊達の牛タン本舗

昨日夕食を食べた牛タン本舗。

どうも仙台は放置自転車取締りに厳しいらしく、商店街の中はもちろん、路上にもほとんど放置自転車が無い。
気軽に停められなくて不便なので、自転車は荷物といっしょに地下駐輪場に残し、歩いて散策。

メロンブックス仙台店

メロンブックス仙台店発見。
メロンブックス仙台店は、駅正面の大通りの交差点すぐ、ビルの3階!

メロン入りビル

他の階との違和感が渋い。

夏コミ新刊に手書きPOPをつけて頂いておりました。ありがとうございます!

ずんたもち

駅の中でずんた餅と黒豆茶を頂く。
ずんたは、枝豆をすりつぶした餡子。

駅地下で土産物を見て周り、昼食へ。

本日の昼食 また牛タン

利久 牛タン定食(ランチ) \1,200

昼も牛タン。ここも有名店みたい。肉厚で大変美味。

時刻も1時をまわったところで、そろそろ出発。
空港の最終便は7時頃まであるみたいなので、まあ余裕だろう。
さらば、仙台市街!

あと4KM

14:07 空港まであと4km

SEX

信号待ちで見かけた風景

あと4キロだったのに、なかなか到着しない空港。

仙台港

14:45 仙台港方向

あれっ?
いつの間にか「空」が抜けてるぞ!?

まさかずっと仙台港を目指してたのかと、真っ青になりながらデジカメを確認。
確かに空港に向かってる。
びっくりしたけど、ちょっと道を間違えただけのようで、すぐ軌道修正。

仙台空港 

仙台空港 15:09 


到着〜

急いでチケット販売所へ。

予約せずに飛行機に乗るのは初めてなので、少々不安。

「伊丹まで」
「はい、15:30の便になります」

荷物チェック場が2階だったので、尋ねてみる。

「自転車あるんですけど、どうやって2階に上がればいいですか」
「自転車ですか…?ええと…申し訳ありません、15:30の便の荷物の搬入はもう終わっておりまして…」

15:30には乗り損ねてしまったらしい。

「じゃあ、次の便でいいです」
「はい、18:35の便で宜しいでしょうか」

…空港で3時間足止めを食うハメになってしまうのだった。

牛タン饅頭

空港の喫茶店で牛タンの肉まんを頂く。

後は空港の土産屋で時間つぶし。デパートのソーセージ売り場のノリで牛タンを試食できるのが素晴らしい。

メロンで買っておいた漫画を読みながらようやく6時。

牛タン茶漬け

本日の夕食:牛タン茶漬け \830

最後に牛タン茶漬けを食べて、搭乗。
もう牛タンは当分ええわー

飛行機に乗り込んですぐ、眠りに落ちた。





「――現在、大阪の天気は小雨、気温16度と大変肌寒くなっております。」

到着間際のアナウンスで目を覚ます。

はんっ、16度。
こんなの昨日の一番日の高い時の気温じゃないの。

小雨?こんなの雨のうちにはいらねえよ!

雨具も出さずに伊丹空港を飛び出す。

東北で鍛え上げられた身に、大阪の気候は生ぬるかった。












たこ焼き

本日の真の夕食:たこやき


やっぱ大阪、ええとこやで!




七日目:走行距離30.78km
平均速度13.1km/h 最高速度34.5km/h

総走行距離 586.23km



2008 東北の旅     - 完 -