三日目 29日 最悪の事態

今日の目的地は大分市街か、余力あれば別府温泉。
地図を見た感じずっと山道っぽいし
長距離になりそうなので、少し早めに９時半出発。



はやくも山道の気配…

　

と思ったら案外平坦で、気持ちのいい道が続く。

道の駅 北川はゆま 9：54

道の駅に到着。
食堂はまだモーニングの時間帯で質素なメニューしかなかったので売店を物色。



本日の朝食 道の駅北川はゆま いなり寿司  \367 ★★★☆☆

生産者の名前入り、地域密着型いなり寿司。
こういうのもいいね。
食堂の前にあった椅子に座って食べていたら中に入れてくれて、
お茶をサービスしてもらった。有り難し。



日向夏ソフト \300 ★★★★★

日向夏というとミカンのブランド。ミカンの風味がそうさせるのか、
昔懐かしのアイスクリンのような味で大変美味。
今回のベスト・オブ・アイスに認定。
思わず千円募金してしまった。

　　

道の駅を後にし、
いい景色の中を気持ちよくドライブ。水も綺麗。



11:28 大分県入り



10号線と217号線の分岐点。
山超えで短距離の10号線か、海沿いで長距離の217号線か…
暫く悩んだ末、結局無難に10号線を進むことに。

道の駅 やよい 13：33

なんかやたらと大きな道の駅に到着。
なんとこの道の駅、スーパー銭湯やちょっとした水族館まで隣接してるらしく
いままでに見た数々の道の駅の中でも余裕で最大規模。
普通にレジャー施設である。



水族館は兎も角、スーパー銭湯はいくしかないだろ…！

・・・入浴中・・・



いやー、いい湯だった！
でもかなり日焼けしていたみたいで、湯船に腕を浸けるのが苦痛…
日焼け止めは毎日塗ってたんだけどなあ…
さすが九州の日差し。



ハズレ引いちゃった…

続けて食堂で昼食。



本日の昼食 道の駅やよい やよい定食 \700 ★★★★☆

大分県は鶏肉の消費量日本一。名物は唐揚げ、とり天。
ということでとり天料理。
とりの天ぷらをポン酢（かぼす？）につけて頂く。大変美味。
とり天は初めて食べたかも。



「出た！3等50万円」
1等何本！っていうのをウリにしてる宝くじ屋はよく見るけど
3等をウリにしてるのは初めて見た。
現実です……！これが現実……！



エノキとニンニク串 \150 ★★★★★

外にあった焼き鳥屋台が美味そうだったので一本。
これがとり天の10倍美味かった！

1時間半も長居してしまったので、そろそろ再開。



気温28度。暑いぞ、どうなってるんだ。
この日東京は20度を下回ってたってのに…



登り坂を終えたところでトンネル。
まあ今日既にトンネルはいくつも超えてきたんですが…

　

歩道が細い！

しかも段差になってて、交通量も多いので道路側に落ちたらアウト、右側の溝に落ちても転倒してアウト。
その上距離は900m弱。
せいぜいハンドルの幅くらいしか無い道を、慎重に進む。電流鉄骨綱渡り気分。
５７億の孤独……！

なんとかトンネルを抜け、なおも山道。
ふと昨日のパンクを思い出し、こんなところでパンクしたら一巻の終わりだなーなんて思った矢先
またしても後輪に違和感が………



再びパンク。

これは…終わった。未だかつて無いピンチである。血の気が引いていく。
引き返すにもさっきの道の駅まで何も無かったし、
すぐ先に町がある気配も全く無い。

一応パンク修理キットは携帯してるので、
水を入れた桶と空気入れさえあれば修理可能だけど、パンク修理は未経験。多分できるけど…
生意気に長年長距離走ってる割に、未だド素人の私。

幸い近くに民家があったので
このあたりに修理できそうな所が無いか聞いてみたけど思い当たらない様子。
こうなったらダメもとで水と桶と空気入れを貸してもらおうとすると…

家の中から作業着を来た男の人が二人出てきて、なんと直してくれるとか。
丁度お仕事の休憩中だったそうで…
私も出来る限りお手伝いしていると、今度はおばちゃんがお茶と饅頭を出して下さって
修理の傍らで饅頭を頂くという、申し訳なさすぎて爆発しそうな状況に。
もうちょっと遅かったら晩ごはん食べて泊まってもらったのにな〜なんて冗談を聞いて
田舎の人情に打ち震える私であった。

そして無事修理完了。家の人たちに五体投地でお礼をし、その場を後に。
大分って最高ですね！



17:35 大分まであと30km

道の駅やパンクで思いのほかタイムロスしてしまったので、別府まで行くには辛い感じに。
どうしようかな。



吉四六さんの里、野津市。
どせいさんにそっくりである。

吉四六さん（きっちょむさん）といえば、一休さんにならぶとんち者として
（少なくとも私の時代は）小学校の教科書にも説話が載っていた人物。
ここが地元だったのかー。



18:00 大分市入り

ここからは下りのターン。ガンガン進む。
大分市街への標識を確認。あと一息…！

大分駅 19：33

日暮れ寸前に大分駅到着！

ここで、大分から別府まではほんの14km程しか離れていないことを知る。
14kmなら一時間で行けるわけで、一泊するならやっぱり観光地のほうがいいなあ。

というわけで、楽天トラベルで別府のホテルを検索。
折角なので温泉宿に泊まりたい…

…が、流石観光地だからか、或いは私の探し方が悪かったのか
今日これから素泊まり出来る、駅近くの温泉付きの宿がさっぱり見つからない！
運の悪いことに土曜の夜だし…
唯一、一泊7000円の宿が見つかったのでやむなくそれで。
まあ観光地だし、ちょっとくらい贅沢してもいいか。

そうと決まれば早速別府へ。
宿を探してる間にすっかり暗くなってしまった。



大分から別府まではひたすら海沿いを進む。
これが昼間なら、別府から立ち上る湯煙と海の景色が楽しめたろうに
この時間では海の向こうの街のあかりしか見えない。

なんとか市街地に到着し、予約したホテルを探してウロウロ。
運のいいことに、１０号線沿いの凄く解りやすいところにホテルを発見。


　

ホテルエール 素泊まり一泊（天然温泉付き） \7050 ★★★★☆

ひっっっろーい！！なんじゃこりゃ！
何故かツインルームに通されてしまった。

とりあえず荷物を置いて、晩飯を探しに駅のほうへ。

別府駅 22：07

………腹…減った…

時間が遅いこともあり、もう居酒屋みたいなところしか開いてない。
でも地元の常連が集まるカウンター居酒屋みたいなところばかりで入りにくいし…
定食が2000円くらいする美味そうな洋食屋を見つけて入るもオーダーストップで追い出される。



別府タワー。

もう諦めて焼肉チェーンかガストで妥協しそうになるけど
そんなところへ行くくらいならと、駅前の通りにあったラーメン屋へ。

　

本日の夕食 大陸ラーメン
・大陸ラーメン \480 ★★☆☆☆
・チャーハン \840 ★★★★☆

ラーメンのほうは塩ラーメン。苦労した一日の締めとしてはややガッカリ感。
近くの温泉宿の客が夜食に食べに来る、海の家のラーメンといった感じ。
チャーハンは妙に高いだけあって割と美味しかった。
青い食器が食欲を削ぐなあ…

夕食も食べたところで、ホテルへ帰って温泉へ。
最上階に展望風呂、屋上に露天風呂があるみたい。
一応源泉を汲み上げてるらしいけど、なんか違う気が…
夜に露天風呂に入っても仕方ないので展望風呂へ行ってゆったり。
しかし日焼けがかなり酷く、腕を湯につけるのがほとんど苦行。
別府温泉が台無しである。



部屋に帰り、ソファーに座ってテレビを見ながら昨日のワインの残りを頂く。
実に優雅である。



本日のお夜食 いもっコロ \315 ★★★★☆

道の駅北川はゆまで買った地元の土産菓子。
有名な北海道のじゃがポックルのさつまいも版といった感じ。大変美味である。

本日のルート：宮崎市街→10号線→別府温泉郷




走行距離131.89km
平均速度 15.5km/h 最高速度41.5km/h


四日目 30日 イップス

このホテル、部屋は最高だけど結構音漏れするらしく
廊下か隣の部屋の騒ぎ声で夜中に目が覚めてしまった。
ちょっと残念。

とりあえずホテルの窓からの景色と外観。
カテゴリ上はビジネスホテルだけど、リゾートホテルっぽいぞ。

　

屋上の露天風呂でまずは一風呂。でもこの時期の朝風呂はまだ寒い！

のんびり10時前にチェックアウト。日焼けが酷いので痛み止めを求めて、
上の写真で正面奥に見える"ゆめタウン"の中の薬局へ。
中国地方と九州北部に多く店舗を構える大型スーパーらしく、道中もよく見かけた。

薬局のお爺さんに腕を見せると、やはりかなり酷かったようで
長袖で防御することを勧められる。
朝と夕方以降はいいんだけど、昼間は暑いんだよなあ……

ゆめタウンを後にし、温泉地を軽くスルー。
途中でいくつも本物っぽい温泉をみかけたけど、腕がいたすぎて入る気にならず。
別府に何しに来たんだ。

携帯で出した地図を片手に住宅地へ。
ここで自転車のタイヤを交換しておかないともう恐ろしくて走れない…
しかし、何件か自転車屋を回るもどこにも在庫が無い。
チェーン展開してるような大型店舗を見つけないとダメなのか…

無いものは仕方ないので、そのまま別府を後にする。
完全に時間を無駄にしてテンションだだ下がりである。

今日の目的地は北九州の小倉の予定だったけど
結構な距離があるため、この状態ではちょっと…
とりあえず行けるところまで行って考えることに。



大分市街から暫く海沿いの街並みが続く。



11:58 中津まで55km  北九州まで104km

北九州まで行けない距離では無いけど、北九州っていう町があるわけじゃないので
実際小倉までの距離となるとよくわからないのが怖いところ。
変な所で夜道になるくらいなら…

そういえばまた朝飯を食い忘れてたので
山道になる前に適当な店で食事。

　

本日の昼食 食楽亭あすか
・合わせうどん \598 ★★☆☆☆
・とり天 \350 ★★★☆☆

昨日食べたとり天が美味しかったので単品で頼んでみる。
うん、美味しいけど…なにかが足りないなあ。
この店、この辺で激しくチェーン展開してるらしく今日このあとに4店舗くらい見かけた。

だんだん気温も上がってきて、日焼け対策の長袖シャツが熱くてやってられなくなったので
コンビニで包帯を買って腕だけ防御する作戦を考える。



バァァ〜ン！！
両腕を包帯でグルグル巻きに。
この男、中二病である



目の錯覚か、平坦な道に見えるのに何故か時速10kmちょっとしか出せない登り坂が続く。
二日連続でパンクした恐怖から、
妙にペダルが重くなるとつい後輪を確認してしまい、なかなか勢いがつかない。
パンク恐怖症になってしまった。



気持ちのいい道が続くも、やっぱり後輪が気になって集中できない。



道の駅もどきを発見したのでここで一休み。



山香の郷 龍笑顔 バラソフト \300 ★★★☆☆

仄かなバラ風味のソフト。
でもバラソフトは以前にもどこかで食べたことがあるので、目新しさが感じられない。



15:14 宇佐市入り

WELCOME TO USA。
ギャグでやってるとしか思えない。



一面に黄金色の稲穂が輝く。

暫く走っていると、左手に国宝・宇佐神宮が登場。
おもいっきり主要国道添いにこんな立派なお宮があるとは…
宇佐神宮といえば全国の八幡宮の総本宮だそうで。よく知らないけど。
折角なので自転車を止めてしばし観光。



右手に土産屋が立ち並ぶ。観光地っぽくていいね。



抹茶まんじゅう \100 ★★★☆☆

土産やで一服。
100円のまんじゅうを一個買っただけなのに、
お茶のサービスと、試食の漬物を次から次へと置いてくれる。
早くまんじゅうを食べ終わらないと、どんどん漬物が増えて行く。まんじゅうこわい。



いざ境内へ。
自転車旅行中は基本的に足がガックガクなので
こんな階段は絶対に登りたくないんだけど
国宝と言われちゃあ一応見ておきたいところ。



西大門。

　

左…上宮 　右…下宮
それぞれに応神天皇、比�淘蜷_、神功皇后の三柱が祀られているとかで
計6回お賽銭を入れないといけない。
6円使ってこの先の交通安全を祈願。大事なのは金額じゃねえんだよ！



宇佐神宮を出発。割と長居してしまったので、
今日はもう中津市街に泊まることにしよう。



17:43 中津市入り

逆光で見にくいけど、標識は福沢諭吉。
中津は福沢諭吉の出身地として有名な所だったみたい。



10号線から少し外れて中津市街へ。
逆光がまぶしい。

中津駅 18:56

大分の北の玄関口、中津に到着。

早速近場の宿を検索。ざっと見た感じ、相場が異様に安い！
朝食付きで3200円の宿と、朝食に温泉もついて3500円の宿……
これなら温泉付きだな。

場所を確認すると、目の前のホテルだった。



スーパーホテル 中津 一泊朝食付き（天然温泉付き） \3500 （ただし特別プラン） ★★★★★

ちなみに右となりの茶色いホテルが一泊3200円。



何故か二段ベッド付き！楽しくなっちゃうぞ。
多分この変な部屋が当日まで空室だったので、シングルの特別プランとして安く解放したのかな。

スーパーホテルの名前は東京でも看板広告で良く見かけるけど、利用は初めて。
横幅1.5mのワイドベッド、選べる枕、空気清浄機と加湿器、完全遮光カーテン、防音等々
安眠に重点を置いた設備らしく機能性抜群。
さらに朝食と温泉がついてこのお値段じゃあ文句のつけようが御座いません。
いままで割といろんなビジネスホテルに泊まったけど、ダントツで最高ランクです。
日経顧客満足度調査第1位は伊達じゃない。



荷物をホテルに置いて、夕食を求めて街を散策。
なかなかビビっとくる店が見つからないまま、駅前の商店街へ。
全部シャッターが閉まってるのは、時間が遅いからだと信じたい。



ん、ビビっときたぞ！

　

本日の夕食 洋食のヤナリ
・チーズハンバーグ定食 \1200 ★★★★☆
・山芋の竜田揚げ \300 ★★★★★

フルコースメニューなんかもあって、結構本格的な感じ。
初めて行く洋食屋ではハンバーグを頼むことにしているので、ここはハンバーグ定食。（サラダとライス付き）
ハンバーグが美味い洋食屋はだいたい全部美味いのだ。
注文すると厨房から肉を叩く音が聞こえて来る。この時点でかなり期待できる。
肝心のハンバーグは、柔らかくて大変おいしゅう御座いました。
ついでに美味しそうだったので頼んだ山芋の竜田揚げも死ぬほどおいしゅう御座いました。
私は料理評論家じゃ無いので、これで勘弁してください。

ホテルに帰って、温泉でゆったり。
エコ目的とかで、部屋の歯ブラシを使わずにカウンターに返却すると地域のお菓子が貰えるらしい。
歯ブラシセットなら持ってきてるので、喜んで返却。



福沢諭吉ゆかりの地ということで一万円札お札せんべいなるものをGET。
ロフト付きの部屋ということで歯ブラシが2本あったので2枚貰えてラッキー。
これは全国の店舗でやってるサービスらしくて、なかなか楽しい取り組みである。

猛烈に眠くなってきたので、夜食も食べずに就寝。

本日のルート：別府温泉郷→10号線→中津市外



四日目：走行距離79.72km
平均速度13.2km/h 最高速度44.0km/h


後編へ続く