四国横断 中編
三日目 24日
金が、無い…!
8時ころ起床。とりあえず小腹がすいたのでここで間食を入れておく。
ホットケーキ250円。ネットカフェで朝飯を取ると何故か妙に優雅な気分になる。 ―はじめにとりあえずの軍資金として2.8万ほど財布に入ってたのがここで1万を割りはじめる。 ざわ…ざわ…
9:00
チェックアウト。(?)
|
10:04
琴平 金刀比羅宮前
このまま直進して石段を千ほど登れば金毘羅宮。 いかにも観光地、な雰囲気に癒される。 しかし無駄に足を疲れさせたくないのと 寺にはたいして興味が無いのでスルー。 興味も無い観光地に踊らされるなんて愚の骨頂。 なんせ今日まで金毘羅なんて知らなかったしな! |
とは言っても完全スルーは寂しいのでちょっと見て回る。 マルキン醤油の店に「しょうゆソフト」なる奇怪なソフトクリームを売ってたので頂くことに。 ほのかにしょうゆのしょっぱさ漂うけど甘い、不思議な感じ。美味。確か200円。 あとはマルキン醤油の正面にあった酒の博物館みたいなのを10秒くらい見て撤退。
その後11号線に復帰し、瀬戸内海を右にひた走り、豊浜町あたりで昼飯時に。
12:30
海沿いにあったびんびん屋とかいう店の定食。1200円くらい。 取り立て新鮮っぽい。―魚はあんまり好きじゃないんだけど… 変に高いの注文せずに限定20食だかの天丼にしとけばよかった。 実は結構有名店だったみたいだし…
13:02
香川県脱出
ここからひたすら50キロほど走り、走り、15:29総走行距離200km突破。
神々しい夕焼け。左端のほうで今にもフタコイオルタナティブが始まりそう。
|
17:47
JR伊予西条駅
アングルが悪いけど伊予西条駅に到着。 ここから大いに迷うことになる。 |
さて、ここで地図をひとつ。
(←←←進行方向←←←) 中央あたりにあるのが現在地伊予西条駅。その手前で11号線が二つに分かれている。 上へ行くと先が有料道路なので自転車では厳しそう。本命の下を通りたいところなんだけど… あいにく地図はこのサイズしか持ってないので、細かい所は道路標識に頼らざるを得ず、 伊予西条駅前の道路標識では上が「松山方面」、下が「高松方面」となっていたようで。 もちろん高松方面なんて戻り道を選ぶわけも無く松山方面へ進むわけだけど
有料道路やがなー しかし有料道路だからって後戻りはしない。わき道がある。…続行だ!
道が…落ちてる!(ざわ…ざわ…)
まあそんなこんなで迷いに迷って、いつの間にか左手に広大な川(?)を見る形に。
こんな安モンカメラじゃ再現できないけど、恐ろしく怪しく美しい夕焼け空。気持ちいい風。 ♪なんでもないような景色が美しかったと思う
空に見とれながら数キロ走ってふと冷静に考える。 さっきの地図の周辺で、左手にこんな長距離の間川だか海だかが在り得るか? ……恐らく、入り江際を走ってる。全く無意味! 案の定すぐ港が見えてきたので諦めて―進む。 戻らずに、進んで大きく円を描くように一周して、進んで元の場所に戻る!
|
18:58 JR伊予西条駅
再び
結局一時間の無駄走りの後戻ってきてしまった。 これぞ醍醐味。 地図なんていらねえ。 |
最初の二日はフェリーで楽したとはいえ、流石に少ない睡眠時間で三日目となると疲れも溜まり ちょうど駅前に一泊3540円からの安ホテルがあるのでここに泊まることに決定。 財布を開けると…3278円。あー、コンビニのATMでおろしてこないと。
駅前のローソンのATMへ。…ATMが無い。 「ATM無いんですか?」「あー、この辺はATM無いですよ」 この辺って…どの辺まで?別のコンビニへ行っても無い。 今日は土曜なので銀行も早く閉まってる。大型スーパーのATMも時間外。 ―後で調べた所四国のコンビニにはATMが無いらしい。(Wikipediaより) あんたの常識俺の非常識。これってトリビアになりますかね
つまり明日の朝まで、未知の旅先で全財産3278円。 真剣にパチンコで増やそうかなんて考えるけどなんとか却下。 こうなってはもはや伊予西条に用は無い。一刻も早くネットカフェを見つけねば… ここで目の前に良さそうなスパ施設が出現。 スパ施設の気持ちよさは身をもって知ってるので、この疲れた体で入らないなんて在りえない。 後に見つかるであろうネットカフェ代を高めに2000円と仮定してもまだ1200円使えるんだ。 入浴代400円。出せる…! 天国のような入浴タイムを経て、風呂上り。 コーヒー牛乳100円。飲まざるを得ない…! 最新フットマッサージ機100円。体験せざるを得ない…! ついでにここで晩飯も。一番安いミニ掻き揚げ丼+うどんセット450円…! 残金2228円。人間は目の前の誘惑に勝てない。これでも我慢した! この先はもうペットボトル1本も侮れない。 最悪を考慮して、施設内のソファーで1時間ほど仮眠しておく。
23:00
出発。兎に角前進。 まさか四国全土にATMが無いとは思いもせず、 「この辺」という表現に幻想を抱きながらコンビニを見つけるたびにチェックし、落胆。 ネットカフェの出現を祈りながら延々と前進。
先ほどの地図の左のほう、左へ進む11号線と上へ進む196号線の分岐点まで何も無し。 この先11号線は松山まで完全に山道。196号線には今治という安牌が。 196号線を選択すると約25kmの延長になるけど、今山越えは在りえないので196号線へ軌道修正。 途中疲れと暗さから思いっきり段差に乗り上げ前のめりに大転倒! 胸と足を強打するも5分くらい地面に這いつくばった後なんとか復帰。 死にながら生きてるシュレティンガー状態のまま街灯もまばらなバイパスをひた走ること2時間半、
結局今治に入ったところでついにネットカフェ出現。 値段は…新規会員300円+ナイトパック1500円!生き残った!
運悪くレジ横の席になってしまい、またここの店長が深夜なのに客が来る度に 「いらっしゃい!!」なんて寿司屋の如く大声出すもんで眠れない。 奥のほうの部屋に移動させてもらってなんとか就寝。 明日松山に着いたら即ホテルに入ってやる…!
三日目:走行距離130.1km
まあ、これくらいは走らないとね
四日目 25日
松山到着
金が足りたといっても残金は400円ちょっと。 1時間寝過ごせば消し飛び、債務者になってしまう。 慎重に慎重を重ねて目覚ましをセットし、安眠できず4時間睡眠。もう死ぬ… チェックアウト1時間前に起きてしまったので下手に二度寝も出来ず とりあえず顔を洗いに良く。
こんな顔になってた。透けてみえるぜぇ…
昨日転倒した時の打撲もジワジワ来て腹筋に力が入らないし 歯茎にまで口内炎が出来やがった。トリプル口内炎。まさに死の淵。 大急ぎでネットで松山市内の安ホテルを予約してそれを目指しラストスパート。
帰り際店長がやさしい顔で「ありがとうね、ありがとうね」といいながら 次回割引券やスタンプ券をいっぱいくれる。「貯まったらそこの景品あげるからね…」 ごめんおっちゃん、多分、俺、もう二度とここには来れない――
いやしかし、旅に出て一泊する度に会員カードが一枚増えていくのは困りもの。 歩く個人情報。
|
9:46 松山まで46km
良いペースで2時間ちょい、体力最底辺の今では 3時間ちょいといったところか。 いくら良い自転車でも体力無いとママチャリ級。 半ズボンにヘルメット、ゴーグル付みたいな 本気ライダーはずっと25km/h〜で走るもんなあ… | 残金にハラハラしながら、なけなしの金で小腹を満たすシュークリーム100円。
瀬戸内海を右に走る走る。気持ちいいー しかし心中は金の心配でいっぱい。
い、いよぎん!(ざわ…ざわ…)
今日は日曜日やーーー(ドーン) 一瞬地の底が見えるも冷静に考えればまだ方法はあるわけで
郵便局ATMで万事解決。こうして金欠問題はあっさり解決したのであった。 コンビニにATMが無いのも四国の銀行のせいらしいので四国の銀行を憎もうと思う。 どうでもいいけどこの写真、空が異常に綺麗だなあ…
個人的に好きな工場地帯を抜けて再び瀬戸内海沿いに。
|
11:40 道の駅 風早の郷
風和里
今回初接近の道の駅。 道の駅ってのは別に電車やバスが止まるわけでなく ドライバーの為の観光地を兼ねた休憩所です。 ふと現れて癒される。 |
時間も良いのでここで昼飯。北条風鯛めしとうどんセット800円也。 鯛めしなんて初めて食べた。 北条風は鯛の身をほぐして炊き込んだご飯。
暑いので隣のアイス屋でアイスを物色。 「炭アイス」 好奇心が抑えられない。250円。 味はほとんど普通のミルクアイス。なんか体に良さそうだけど…
最後に適当な栄養ドリンクでフラシーボ効果を得て再開。 フラシーボ効果は変な薬よりよっぽど効くので侮れない。
13:01
総走行距離300km突破。高松-松山間は150kmだったはずなのに…
|
13:40 道後 3km 松山駅
2km
市街地に入りついにこんな標識。 もはや松山は手中…! 最後の力ですべてを捨ててホテルを探す。 |
|
13:50 JR松山駅
ついに松山駅到着――― 松山は市駅前のほうが活発な模様。 |
通称坊ちゃん列車。 松山中の道路の真ん中の車線を占有してグルグル回る路上列車。 これに加えて松山の広い交差点はほとんどスクランブル式なので非常に混乱する。
そして松山城がほの見える。確か予約したホテルは城の周りにあったはず…
|
14:09 ホテル泰平(別館)
…ゴールッ! 一泊3850円朝食付。 もう今日は動かない! 死んだように休む!
―しかし、チェックインは16時からでしたとさ。 | 仕方ないので2時間を近くにあったゲーセンで潰す。 メルブラだ!メルブラ!7連勝してホクホク。 このゲーセン、メルブラのみ1ゲーム50円でGGXXやガンダム等他すべて30円。 30円はいくらなんでも安い。丸一日潰せそう。 言ってるうちに16時になったので意気揚々とチェックイン。
広い!最高! とりあえず今晩道後温泉へ行きたいので手持ちの服を全部洗っておく。 上は肌に直接Yシャツを、下はパンツも脱いで直にレインズボンを履き 限りなく犯罪的な格好で近くのコインランドリーへ。 帰りしなに古本屋で80円の古エロ漫画雑誌を買ってきて暇つぶし。 こんな格好でなにやってんだ。
洗濯も終わり夕日も沈んだ頃道後温泉へ。 運良く道後温泉まで自転車で10分もかからない位置だったのですぐ到着。 ここでカメラを忘れた事に気づきショック。惜しいことをした…
とりあえず本にも載ってた道後温泉本館目の前の「おいでん屋」で 宇和島風鯛めしと名産じゃこ天を頂く。写真が無いのが残念… 宇和島風は白米に鯛の刺身とダシと生卵と薬味をぶち込んで混ぜて 卵ごはんのようにして食べるもの。こっちのほうが好き。
そして道後温泉へ… 道後温泉の湯は4種類。 ただ入るだけ、その辺の銭湯と変わらない神の湯階下(\300)、 休憩室が使えて浴衣の貸し出し、お茶とお菓子が出る神の湯二階席(\620)、 休憩室と浴衣とタオル、お茶お菓子が出て霊の湯に入れる霊の湯二階席(\980)、 個室と浴衣とタオル、お茶と坊ちゃん団子が出る霊の湯三階個室(\1240)。 湯の質なんてどうせわからないので神の湯二階席でひとつ。 まず広間に通され、そこで浴衣に着替え一回の浴室へ。 入浴後浴衣を着て二階に戻り、座布団で休憩しながらひとりのんびりお茶とお菓子を頂く。 風が涼しく大変気持ちよかった。ただ湯自体はその辺の銭湯との違いがわからず。 違いの判らない男だな!
温泉前の商店街をブラブラ。美味そうな菓子類がいっぱいあったけど今は満腹なので 明日また来よう… 最後に温泉本館から徒歩30秒の位置に建つパチンコ屋で今回初のスロット! 1万もってかれた。
帰りに梅酒とスナックを買って帰り糞つまらないTVを見ながらゆったり就寝。 明日はどうしよう、ダラダラ松山観光かな…?
四日目:走行距離58.9km
後編へ続く
|